本記事は、 世界遺産のセゴビアのローマ水道橋観光を考えている方に向けて、20枚以上の写真・画像で詳細に解説、Q&Aを紹介します
- ローマ水道橋の見どころ
- ローマ水道橋はどれくらいのサイズ(高さ、長さ、幅)なのか
- ローマ水道橋のどこを水が流れているのか
- ローマ水道橋がいつ、どうやって作られたのか
- ローマ水道橋がなぜ高架になっているのか
- ローマ水道橋の水源地はどこらへんなのか
記事を書いたのはこんな人です
- 旅行好き(国内46都道府県を制覇、残りは沖縄)
- 旅行計画好き(サイコロの旅18切符ver.も複数回実施)
- 海外一人旅好き(タイ、カンボジア、イタリア、トルコ、韓国、スペイン、フランスを一人旅で訪問済)
- 写真好き(主にCANON 6D、F4 16-40mmで撮影)
Table of Contents
セゴビアのローマ水道橋の写真と解説
バスセンター~アクエドクト通り
セゴビアのバスステーション(Estation de autobuses)からのアクセスを紹介します
セゴビアのバスステーションとローマ水道橋は道路を渡って反対側です
公園の横を抜けて石畳みの道(AV. Acueducto)を5分ほど歩くとローマ水道橋に到着します
ローマ水道橋が徐々に見えてくるのでワクワクするよ
Acueductoはスペイン語で水路の意味ですが、セゴビアではローマ水道橋のことを指します
ここで、セゴビアでの失敗談を紹介します
下車するバス停を間違えてしまうミスがあり(トホホ…)、地図を見ても居場所がわからなくなりました
そこで、通りがかった方に「水道橋、ローマ橋はどこ?」と聞いたところキョトンとされました
きっと、「あそこからあっちまで水道橋なんだけどな…」と思ったことでしょう
ちょっと間が空きましたが、アソゲホ広場の方向を指差してくれました(感謝!)
「ローマ水道橋(Acueducto)と言えばアソゲホ広場」が当たり前だと思ってましたが、現地のイメージとあっていないこと気づかされました
自分の意図を伝えるのならば、「アソゲホ広場はどこ?」と聞くべきでした
本記事では、道に迷った時に現地の言葉で置き換えができるようにと思って、日本語とスペイン語を併記しています
スペインの人は基本的にみんな優しかったよ
スペイン旅行でたくさん使った挨拶・フレーズはこんな感じでした↓
- Hola(オラ):軽い挨拶(朝昼晩どこでも使う)
- ¿Dónde está ~?(ドンデ エスタ~) :~はどこですか?(地図や写真を指差してもOK)
- ~, por favor(ポル・ファボール):~をお願いします(メニューやクレジットカードを指差してもOK)
- La cuneta, por favor(ラ・クエンタ、ポル・ファボール).:お会計をお願いします(上の派生)
- Gracias(グラシアス):ありがとう(どこでも使う)
挨拶とpor favorと指差しでだいたいなんとかなったよ
アクエダクト通り~アソゲホ広場(ローマ水道橋観光の中心)
ローマ水道橋観光の中心となるのがアソゲホ広場(Plaza del Azoguejo)です
アソゲホは市場を意味する「zoco」を縮小したスペイン語です
アソゲホ(市場)の名前の通りたくさんのお店があるので、時間に余裕があればカフェでのんびりしてもよいかもしれません
なお、アソゲホ広場には観光案内所があり、利用するメリットが大きいのでおススメです↓
- 日本語のパンフレットが無料で手に入る
- トイレが利用できる(有料) ※公衆トイレが少ないので、トイレに行っておくことをおススメ
- ちょっとしたお買い物ができる ※水分補給をおススメ
アソゲホ広場の観光案内所の案内はこちらから↓
営業時間 | 10:00-19:00(月~土) 10:00-17:00(日) |
営業日 | 毎日 |
入場料金 | 無料 |
パンフレット | 配布あり(日本語あり) |
設備 | トイレあり(有料) |
トイレが有料なのは「海外ではそういうもの」と思うしかないね
参考:Segovia Japón (segoviajapan.com)(日本語)
ローマ水道橋(地表面、正面)
ローマ水道橋の地表面、正面から取った写真です
ローマの水道橋から30m位の距離でも広角のレンズ(35mm換算で16mm)で余裕で見切れます(トホホ…)
後ろに下がると両側の建物の影が入り込むのでこれ以上はあきらめました
スマホで撮影するならパノラマモードがおすすめです
後ろに下がるときは他の人にぶつからないように注意してね
アゲソボ広場のローマ水道橋の上段には聖母マリア像が格納されています
聖母マリア像の柱(縦)と土台(横)で十字架にも見えます
現地では気が付きませんでしたが、聖母マリア像の柱の下にある十字架がヒントかもしれません
写真を1枚戻って探してみてね
スペイン全体、特にセゴビアでは聖母マリアの信仰が深く、セゴビアの中心である大聖堂も聖母マリアに捧げられています
セゴビア大聖堂は「聖母被昇天と聖フルートスの大聖堂」が正式名称になっています
【50時間以上かけて調査!】世界遺産 セゴビア大聖堂(Catedral de Segovia)を詳しく紹介また、写真を拡大するとブロックのサイズがバラバラなことがわかります
サイズがバラバラのブロックをモルタル(接着剤)なしで積み上げて、2,000年近く古代ローマ時代の姿を残しているなんて驚異的の一言です
地震大国の日本では積み上げただけじゃすぐに崩れちゃうね
ローマ水道橋(中段、西側)
ローマ水道橋の中段、西側の展望台から見た写真です
ローマ水道橋にあまり建物の影がかからず、色とりどりの花崗岩が西日を照らし出されてきれいでした
なお、ローマ水道橋がまっすぐ続いているように見えますが、途中で東側に向かってL字型に折れています(次で説明)
撮影方法によってはローマ水道橋がずーっと続いているようにも撮れるよ
ローマ水道橋(中段、東側)
ローマ水道橋の中段、東側から見た写真です
中段の西側の展望台からローマ水道橋をくぐってアクセスできます(写真撮り忘れました)
ローマ水道橋が途中でL字型に折れているのがわかりますでしょうか
(オレンジの屋根の建物の前に二重アーチが2つあります)
ローマ水道橋がL字型で折れた後は東側の高台に向かって最終的にはアーチがなくなります
夕方の西日でつくられた水道橋のシルエットがきれいだったよ
ローマ水道橋(上段、東側)
ローマ水道橋の上段、東側から撮影した写真です
上段までくると遠くにグアダマラ山脈(Sierra de Guadarama)が見えてきます
なお、グアダマラは『砂の川』を意味するアラビア語に由来します
ローマ水道橋の上段、東側は写真スポットとしておすすめです
- 近景(ローマ水道橋)、中景(オレンジの屋根の建物群)、遠景(グアダマラ山脈)とバランスがよい
- 人のサイズ、建物のサイズ、ローマ水道橋のサイズがわかりやすい
- ロータリーの緑がワンポイントで色味的に単調にならない
広角のレンズやパノラマモードがおすすめだよ
ローマ水道橋(上段、単一アーチ)
ローマ水道橋は単一アーチが続いたあと上段で終わりです
二重アーチほどのド迫力はありませんが、アーチの構造を間近でよく観察できます
デコボコはあるけどきれいな曲線だね
ローマ水道橋の詳細解説
数字でみるローマ水道橋
- 参考:【UNESCO】Old Town of Segovia and its Aqueduct(英語)
- 参考:【スペイン公式HP】セゴビアの水道橋のSegovia | spain.info 日本語
- 参考:【マドリード公式HP】セゴビア|観光公式サイト (esmadrid.com)
- 参考:【カスティーリャ=レオン公式HP】Acueducto de Segovia – Portal de Turismo de la Junta de Castilla y León (turismocastillayleon.com)
- 参考:【セゴビア公式HP】INICIO – Turismo de Segovia
- 参考:【セゴビア観光公式HP】Acueducto de Segovia (turismodesegovia.com)
- 参考:【英語版Wiki】Aqueduct of Segovia – Wikipedia
- 参考:【スペイン語版Wiki】Acueducto de Segovia – Wikipedia
公式HPで情報がバラバラ、データが違うのはホント困ったよ…
上の表を参考に簡単に解説していくよ
ローマ水道橋のサイズ(高さ、長さ、幅)
表で書いてもサイズがわかりにくいので写真で図解してみました
なんとなーくのサイズ感は伝わりますでしょうか
- 高さ28.5m:ビル10階ぐらいの高さ
- 長さ813m:800mの世界記録保持者が全速力で走って100秒以上かかる長さ
- 上段奥行き2.5m:トラックの横幅位の長さ
- 上段幅1.8m:成人男性が手を広げたぐらいの幅
- 下段奥行き3.0m:横断歩道ぐらいの長さ
- 下段幅2.4m:トラックの横幅位の長さ
サイズが大きすぎると感覚がマヒするね
ローマ水道橋の個数(アーチ数、柱数、ブロック数)
ローマ水道橋の個数を図解してみました
柱と二重アーチの個数は何となくイメージがわきましたが、ブロックは全然イメージが湧きませんでした
ブロックの数とかフェルミ推定の問題に出てきそうだね
ローマ水道橋の歴史
ローマ水道橋はトラヤヌス帝、ハドリアヌス帝の時代に完成したというのが有力です(諸説あり)
古代ローマ時代に完成し何回かの修復を経て、19世紀半ばまで何世紀にもわたってローマ水道橋が機能し続けたというのは驚きです
- 紀元前50年頃 ローマ水道橋建造
- 112年頃 ローマ水道橋完成(トラヤヌス帝、ハドリアヌス帝の時代)
- 1072年 ムーア人によってローマ水道橋が破壊される
- 15世紀後半 イザベラとフェルンドのカトリック両王によりローマ水道橋再建
古代ローマ時代にローマ水道橋を完成させたトラヤヌス帝、ハドリアヌス帝はこんな人たちです↓
古代ローマ時代は色々とスケールが大きいことをやっているね
ローマ水道橋の水源、延長距離
ローマ水道橋の役割は水源から旧市街まで水を運ぶことです(左図のイメージ)
ローマ水道橋の水源は16kmほど離れたグアダマラ山脈のアセベダのフリオ川です(次で紹介)
パッと見た形状からだけだとイメージは付きませんが、ローマ水道橋の上部はU字になっており緩やかな傾斜が付いています(右図のイメージ)
現地でローマ水道橋を見たけど水が流れるイメージが全くなかったよ
ローマ水道橋の水源、グアダマラ山脈のアセベダのフリオ川(青線) を調査してみました
- セゴビア川から16kmほど離れたアセベタを流れる川
- セゴビア市内を流れるエレスマ川(Eresma)とフリオ川(Flio)は別の水系
- フリオ川の途中にはリオフリオ王宮(Palacio Real de Riofrío)がある
フリオ川はミラニリョス川水系の支流で、市内を流れるエレスマ川水系とは別の水源です
地図で確認しただけですが、グアダマラ山脈の2,000m級の山に囲まれたフリオ川は流域面積が広い(雨を集める能力が高い)ですね
流域面積が広い別の水源から水を運ぶのは安定的な水の確保を考えると合理的です
ダム好きなのでどこに建設したらよいかとか考えちゃうんだよね
ついでに、フリオ川(青線)からセゴビア市内へのローマ水道橋の建設ルートを考えてみました
建設コスト・建設難易度を考えて、水源から徐々に高度が下がる必要があるという条件から、
・当時のローマ水道橋は赤〇のルート
・現在の道路が通っている赤×のルートは無し(途中で丘・坂道があり)
かなぁ、と思ってます
ルートが合っているかわかりませんが、あれこれ考えるのは楽しかったよ
水源からローマ水道橋の上部を伝って旧市街エリアに来た水は、最終的に丘の上にあるアルカサル(王宮)まで運ばれました
自然の重力だけを利用して長い距離にわたって水を流すには、水平に近い勾配を作る必要があります(ローマ水道橋の傾斜は平均して1%程度 )
特に、谷間や平地では高い位置に水道を作る必要がでてきます
以上のように、アソゲホ広場(谷間)を経由して崖の上に立つアルカサルまで水を運ぶための工夫がローマ水道橋が高架になっている理由です
色々と調べて地図と高低差を図に表してようやくわかった感じだよ
アルカサルについてはこちらから↓
【歴史や建築様式まで徹底紹介!】世界遺産 セゴビアのアルカサル(Alcázar de Segovia)の見どころ解説古代ローマ時代から正確な測量の技術と建築技術が当時からあったなんて驚きですね
その他、古代ローマの建築物・建造物の例はこちらから↓
- ポンペイ市街@ポンペイ(紀元前63年~紀元79年頃)
- ポン・デュ・ガール@フランス ガール県(紀元50年頃)
- コロッセオ@ローマ(紀元90年)
- トラヤヌス浴場@ローマ(紀元109年)
- ローマ水道橋@セゴビア(紀元112年頃)
- ハドリアヌスの長城@スコットランド(紀元125年)
- フォルム・ロマヌムのセプティミウス・セウェルスの凱旋門@ローマ(紀元203年)
ヨーロッパ各地に古代ローマの遺跡があるね
セゴビアのローマ水道橋の概要(Q&A)
- ローマ水道橋ってどんなとこ?(一言で)
- 古代ローマ時代に造られ2,000年近い歴史を持つ、二段組みのアーチが特徴的なスペインを代表とする水道橋です
- ローマ水道橋って何がすごいの?
- 古代ローマ時代(2,000年近く)にモルタル(接着剤)なしでブロックを積み上げたもの(20,400個)が保存状態も良く現存しているのがすごいです
- ローマ水道橋は行くべきか迷っているんだよね
- 土木遺産好きやローマの歴史好き、写真好きなら迷わず行くべきです
ただ、あまり興味がない人からは「ふーん、こんなものか」ぐらいかもしれません
- ローマ水道橋の写真を見てみたい
- アゲソボ広場(ローマ水道橋の観光の中心)からの写真を角度を変えて紹介します
- ローマ水道橋に行ってみた感想は?
- ・ローマ水道橋は想像以上に大きくてインパクトがあった
・土木遺産好きやローマの歴史好きなので行けてよかった
・ただ、現地では解説はほぼないのでもっと勉強してから行けばよかった
(本ブログを書いている理由)
・機会があれば、今度はセゴビアに1泊する勢いで早朝と夜景を撮りに行きたい
- ローマ水道橋の観光時間はどれくらい?
- アゲソボ広場周辺で、下から上から前から後ろから角度を変えて30分程度
アゲソボ広場だけでなくローマ水道橋に沿って歩くのであれば1時間は見ておいた方がよさそう
- どの時間帯がおススメ?
- 朝と夕方の時間帯は、ローマ水道橋の影のシルエットがきれいなのでおススメ
夜の時間帯もライトアップされて幻想的なのでおススメ
お昼の時間帯は展望台からの角度的に逆光になるので外した方がよさそう
吹き出しを見て行けばだいたい感想はわかるよ
セゴビアのローマ水道橋の観光案内
紹介動画
セゴビア公式の観光HPでローマ水道橋のイメージ映像を公開しているので紹介します
説明がないイメージ映像ですが、ローマ水道橋を色んな切り口で撮影していて魅力がわかりやすいです
最初の1分ほどは飛ばして良いかも
参考:TuristdeSegovia(日本語あり) ※左上の日本国旗をクリックで日本語表示
アクセス
セゴビアの水道橋(③)は、バスステーション(Estation de autobuses)から徒歩5分程度です
アルカサル(①)からは徒歩19分程度、カテドラル(②)からは徒歩5分です
セゴビアの水道橋の営業情報は以下の通りです
営業時間 | 自由見学 |
営業日 | 毎日 |
チケット料金 | 無料 |
備考 | アソゲホ広場に観光案内所あり(お土産屋さん、トイレ(有料)) |
観光案内所では日本語の地図やパンフレットをもらえたよ
ローマ水道橋のまとめ
以上、セゴビアのローマ水道橋(Acueducto de Segovia)の雰囲気はいかがだったでしょうか
セゴビアのローマ水道橋はセゴビアの三大観光名所の一つで、世界遺産の名前にもなっている代表的な観光地です
土木遺産好きやローマの歴史好き、写真好きなら迷わずセゴビアのローマ水道橋に行くべきです
本記事がスペイン、マドリード、セゴビア旅行に行くときの参考になれば嬉しいです
ローマ水道橋の背景を知るともっと楽しめるよ
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